研究インタビューの文字起こしとは
研究インタビューの文字起こしとは、参加者との録音された会話——インタビュー、フォーカスグループ、オーラルヒストリー、フィールド録音——を、話者ラベルと単語単位のタイムスタンプ付きの検索できるテキストに変換することです。各行は録音上の瞬間に紐づいたままなので、研究者は該当箇所を見つけ、元の音声で言い回しを確認し、参加者と時刻を添えて引用できます。
質的研究者にとっての価値は事務作業ではなく「証拠が残ること」です。文字起こしは、数ヶ月後に主張を照合できる記録です。指導教員、共著者、査読者、あるいはセッションの記憶が薄れた研究者自身が確かめられます。
研究向け文字起こしの早見表
| 入力 | インタビュー、フォーカスグループ、フィールド録音、オーラルヒストリー、研究ミーティング |
|---|---|
| 話者 | 研究者、参加者、モデレーター、複数の参加者を自動でラベル付け |
| 検索 | 記録内およびライブラリ全体のキーワード検索 |
| 根拠 | 録音に紐づく単語単位のタイムスタンプ |
| 注釈 | 色付きハイライトと、その箇所に紐づくコメント |
| AI出力 | 要約、重要な発言、アクション、決定事項、リスク、期日 |
| 分析の境界 | テーマの自動抽出・質的コーディング・独自テンプレートはありません |
| 共有 | Notion、Slack、Google Drive、Googleドキュメント、ダウンロード、取り消せる閲覧専用リンク |
| アカウント | 文字起こしはアカウント不要。AI分析と注釈には無料アカウントが必要 |
参加者のどの発言も検索できる
参加者が使った言葉——価格、オンボーディング、信頼、レポート——で記録を検索し、行をクリックすればその言い方をそのまま聞けます。アカウント全体では、そもそもどのインタビューでその話題が出たかを一度の検索で把握できます。調査が十数セッションを超えると、まずこれが知りたくなります。


根拠をハイライトし、研究メモを添える
箇所を選んで色を付け、コメントを添えます——確認すべき追跡事項、別セッションへの参照、指導教員へのメモ。注釈はインタビューに紐づいたまま残るので、ある知見の根拠となった思考が執筆後も残ります。
AI研究サマリー
ワンクリックの固定メニューが、セッションを整理された文書に変えます。要約に加えて、同じ記録から重要な発言、アクション、決定事項、リスク、期日を抽出します。抽出された各行はタイムスタンプまで辿れるので、サマリーの中に検証できないものは残りません。

研究アーティファクトの実例
例として挙げたユーザビリティインタビュー。記録の抜粋、研究者が付けた注釈、セッション全体から生成されたAI分析です。
これは例示であり、実在の参加者ではありません。AIは決まったテンプレートを埋めるのではなく話された内容を要約し、研究メモとコメントは研究者が書きます。どの箇所が重要かを製品が決めることはありません。
記録と分析から得られるもの
セッションによりますが、記録とAI分析は次を見つける助けになります:
研究における録音の種類
音声が入っていれば同じように文字起こしできます。研究者が持ち込むことの多いセッションを挙げます。
質的研究の中核。参加者の正確な言い回しがデータであり、言い換えは損失です。
複数の参加者とモデレーター。話者ラベルが録音を読めるものにしますが、発言の重なりが多いと精度は落ちます。
思考発話のセッション。詰まっているときの発言が、タスクを完了できたかと同じくらい重要です。
統制された環境の外での録音。環境音も素材の一部であり、精度もそれに応じて変動します。
語り自体が価値である長いセッション。ひとつのプロジェクトをはるかに超えて保存されることも多いものです。
一人の研究者が1年以上にわたり何度も戻ってくるセッション。文脈を補ってくれるチームがいないのが普通です。
用語が密な会話。技術的な箇所を音声で確認する手間に見合います。
フィールドワーク後の会話。最初の解釈が提示される場でありながら、ほとんど記録されません。
研究の録音はどこから来るか
Zoom、Teams、Google Meet
会議ツールが書き出すMP4または音声のみのファイルをアップロードします。各自が自分のマイクの近くにいるため、この方法で録ったリモートインタビューが最も精度が出ます。
ハンディ・フィールドレコーダー
専用レコーダーのWAVやMP3は対面インタビューで最高品質の入力です。保存する予定のセッションなら準備の手間に見合います。
スマホの録音
スマホの録音アプリのM4Aも使えます。機種より置き場所が重要で、二人の間の机に置いた端末はカバンの中の端末に勝ります。
動画・画面録画
動画で録ったユーザビリティセッションも音声と同じように文字起こしでき、記録は動画のタイムラインに紐づいたままです。
TranscribeThisはアップロードされた録音を処理します。セッションへの自動参加や自動録音は行わず、リアルタイム文字起こしもしません。
研究者のワークフロー
どの工程も質的研究者がすでに行っていることです。文字起こしは、根拠が分析まで生き残るようにします。
- 録音
- 文字起こし
- 話者を確認
- 検索
- ハイライト
- コメント
- AI分析
- 書き出し・共有
手作業の文字起こしやメモと、出典に紐づく記録
| メモと手作業の文字起こし | TranscribeThis |
|---|---|
| 1本に数時間、あるいは記憶から書いた言い換え | 数分で全文。打ち込むのではなく確認するだけ |
| 正確だと思っている引用 | タイムスタンプで再生して確かめられる引用 |
| 書いた本人にしか意味が分からないメモ | 共著者や指導教員が読める記録 |
| 箇所を探すとは音声をシークすること | 箇所を探すとは語を検索すること |
| インタビュー横断の問いは記憶で答える | インタビュー横断の問いはライブラリ検索で答える |
文字起こしと質的分析は別のもの
文字起こしは出典となる記録を作ります。要約は長いセッションを見直しやすくします。どちらも分析への入力であって、分析そのものではありません。
コーディング、テーマの構築、解釈、結論は研究上の判断のままです。TranscribeThisは記録をコーディングせず、テーマをまとめず、感情をスコア化せず、方法論を適用しません。そうでないと書いてあるページは、仕事の核心そのものを飛ばす近道を売っていることになります。
NVivo、Atlas.ti、MAXQDA、DedooseなどのCAQDASを使うなら、本サービスはその手前に入ります。ここで記録を作って確認し、テキストとして書き出し、あちらでコーディングしてください。

研究における精度と限界
精度は固定値ではありません。結果を動かす条件と、引用が論文に入る前に済ませたい確認を挙げます:
プライバシー、同意、研究倫理
研究の録音は、特定できる個人が、多くは公には言わないことを話している音声です。この節は法的助言ではなく指針です。
インフォームド・コンセントのうえでのみ録音し、録音がどう処理されどれだけ保持されるかを説明してください。
IRB、倫理委員会、大学、組織の方針が第三者処理を全面的に禁じている場合があります。アップロードした後ではなく前に確認してください。
ファイルはTLSで送信され暗号化して保存されます。無料アップロードは24時間以内に削除、有料プランでは保持期間を自分で管理できます。あなたの録音は学習データではありません。
プロトコルが求める場合は、録音が非公開であることに頼らず、書き出しや共有リンクの中の識別情報を置き換えてください。
対応形式・言語・上限
実際のインタビューで試してください
セッションをアップロードし、記録・話者ラベル・単語単位のタイムスタンプを確認してからプランを選べます。50MBまでは登録不要です。
関連ページ
よくある質問
質的研究のインタビューを文字起こしできますか?
できます。録音をアップロードすると、話者ラベルと単語単位のタイムスタンプ付きの記録が返ります。1時間の音声でおおむね2分です。50MBまではアカウントなしで利用できます。
研究者と参加者を区別できますか?
はい。話者ラベルが録音内の人物を自動で分けるため、記録が文字の壁ではなく会話として読めます。フォーカスグループでは発言の重なりや似た声で精度が落ちるので、確認をおすすめします。
複数のインタビューをまたいで検索できますか?
できます。検索ボックスがその語を含むインタビューを見つけ、インタビュー内では検索して行をクリックすればその瞬間を再生できます。意味ではなく語句の一致なので、検索しなかった同義語は出てきません。
発言をハイライトしてコメントを残せますか?
はい。箇所を選んで色を付け、コメントを添えれば、どちらもインタビューに紐づいて残ります。ハイライトはインタビュー単位で参照するもので、調査全体を一覧する画面はありません。
研究テーマを自動で見つけてくれますか?
いいえ。これがこのページで最も重要な境界です。検索は話題が出た場所を見つけますが、複数の箇所がひとつのテーマを構成すると判断するのは解釈であり、製品は行いません。自動コーディングもクラスタリングも感情分析もありません。
どんなAI要約がありますか?
固定のメニューです。セッションの要約に加え、重要な発言、アクション、決定事項、リスク、期日。自分で書くプロンプトではなくワンクリックの分析で、無料アカウントが必要です。
すべての引用を録音と照合できますか?
できますし、結果に影響するものは照合すべきです。単語単位のタイムスタンプにより、どの行も話された瞬間から再生されるので、論文に向かう引用を「信じる」のではなく「確かめる」ことができます。
複数話者のフォーカスグループにも使えますか?
使えますが、先に知っておくとよい注意点があります。フォーカスグループは、話者識別が最も苦手とする発言の重なりを生みます。発言の順番を整えるモデレーターと、全員に届くマイク配置のほうが、どの設定よりも結果を改善します。
質的分析ソフトに書き出せますか?
できます。無料プランではTXT、有料プランではDOCXやPDFで書き出し、NVivo、Atlas.ti、MAXQDAなど普段コーディングする環境に取り込んでください。CAQDASツールとの直接連携はありません。
参加者の同意や機微データはどう扱うべきですか?
インフォームド・コンセントのうえでのみ録音し、アップロード前にIRB・倫理委員会・所属機関の方針を確認してください。参加者データの第三者処理を全面的に禁じている場合があります。プロトコルが求めるなら書き出しを匿名化してください。これは法的助言ではありません。
逐語引用や公表用の引用に使えますか?
作業用の記録として扱ってください。ほとんどの行は手を入れる必要がない程度に正確ですが、名前・数値・専門用語・他人の発言に重なった箇所こそ自動文字起こしが誤る場所であり、しかも引用したくなるのはたいていそこです。公表前に確認してください。
独自の研究サマリーテンプレートに対応していますか?
いいえ。分析は固定のメニューです。方法論が特定の構成を求めるなら、記録を書き出してご自身で適用してください。
暗号化・保持期間・ファイルの取り扱いについて: プライバシーポリシー · 利用規約
TranscribeThis 音声認識チームによるレビュー済み。
最終更新:2026年7月
